昔話(3) ― 2012年08月21日
の続き。でも話は時間を遡ります。
パソコン通信を使うようになったきっかけは X68000 でしたが、そもそもパソコン、いや、マイコンを使うようになったきっかけは 1981年くらいだったでしょうか。
今は移転して立派な建物になっていますが、NHK鹿児島放送局が施設を開放し、いろんな展示を見せていたことがありました。父に連れていってもらったのですが、その一角にマイコンの展示コーナーがありました。
何が展示してあったのか子細に覚えているのでもないのですが、NEC の PC-6001 があったように記憶しています。発売時期からすると新機種だったのでしょう。これに興味を持ちました。
また、父はアマチュア無線をやっていたのですが、雑誌 CQ ham radio にタンディラジオシャックの TRS-80 を使ったプログラミングの記事も載っていて、それになぜか目が釘付けになり、何度も読み返したこともありました。
マイコンでプログラムを作って動かすとゲームが作れること、また、趣味で集めていた切手の整理に使えるかもしれない、と思ったことで、俄然、マイコンに興味を覚えました。まだ小学生でしたが。
そうしているうちにNHKでマイコン入門というテレビ講座が始まりました。「ナイコン族」である私は実機に触ることはありませんでしたが、講座のテキストを読み潰し、番組に齧りついて勉強しました。意味はとても理解できていたとは思えませんでしたが、雰囲気は掴んでいました。巻末付録の「機種X」という PC-8001 のロゴを塗り潰した機械のキーボードの実物大写真を切り取り、タイピングの真似事をしました。父はそれを見かねて田舎に眠っていたタイプライターを私に与え、私はタイプライターでプログラミングの真似事をやっていました。
そのうち、ようやく PC-6001 を買って貰いました。最後まで東芝のパソピアにするか、PC-8001 にするか、PC-6001 にするか、といったところで迷いましたが、結局、 PC-6001 を選択しました。小学6年の時です。
昔話(2) ― 2005年03月24日
パソコン通信の時代、日本では商用のパソコン通信サービスと草の根BBSなどと 呼ばれていた主に個人やサークルベースのものがありましたが私の場合は もっぱら草の根BBSを巡っていました。商用のサービスにもアクセスはしていました が、基本的には軸足は草の根BBSにあったつもりです。
主に私個人の趣味のフィールドであるアニメ系の情報収集や、ファン同士の交流、 それとパソコン関係のソフトウェアの入手や情報交換に使っていました。私が特に 入りびたっていたのは大学のサークルの先輩が開設した草の根BBSでした。 非商用ベースとはいえ、比較的パソコン通信の初期の時代であった1986年に開設された 老舗であったこと、また、基本的にはゲストと会員の機能の差が小さかったことや、 参加しているメンバーに「濃い」人が多かったこともあり、盛況でした。私が参加 しはじめた当時は会員は1400人程度でしたが、最終的には6000人は越えていたと 思います。
このホスト局は大学生が運営していたのですが、就職すると運営に時間を割くのが 難しくなります。そこで卒業時には運用を後輩に引き渡す、ということが 何年かおきに続いていました。 そして、私は4代目として、その運用を引き継ぐことになりました。
そういった活動と並行して、私はインターネットのほうにも関わっていくように なっていました。
昔話(1) ― 2005年03月10日
私個人の経験の話をちょっとしてみます。最初にコンピュータのネットワーク に触れたのは大学に入学した1989年、あるいはその翌年の1990年ごろだったと 記憶してます。
そのきっかけの一つは当時使っていたX68000というパソコン用のフリーソフト、 PDSなどを入手するためでした。大学に入って参加したコンピュータサークル の部屋から電話をかけ、いくつかの草の根BBSをめぐっていました。また、 私自身が「アニメおたく」だったため、サークルの先輩が運営していた アニメ専門の草の根BBS局にも入りびたるようになりました。
もう一つには、大学の教育用計算機センターのコンピュータシステムの上で展 開されていた独自のBBSシステムです。そのシステムの元は前述とは別のサー クルの先輩が作ったものだったのですが、そのBBSシステムでは種々雑多な話 題が展開されていました。また今のインターネットの前進とも言える junet と呼ばれていた国内のネットワークで流通していた fj ニュースグループへの 窓口もありました。
教育用計算機センターでは「指導員」という制度があり、コンピュータにある 程度詳しい学生ボランティアがセンターの部屋に交代で詰め、センター利用者 の学生からやってくる様々な質問などに対応していました。そこでは一般利用 者よりもさらにディープなネットワークの世界や、UNIXの世界を垣間見ること も出来たのです。これは、今の仕事につながる基礎になっているかもしれませ ん。
そういった塩梅で、「パソコン通信」と「インターネット」にほぼ同時期に触 れることになりました。この二つのネットワークは当時は別の世界でしたが、 その後の「商用インターネット」と呼ばれるようなサービスが始まり、相互の 接続がはじまって起こった混乱の際には双方の立場から眺めることとなります。
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