空気と戦争 ― 2007年07月25日
東京都の副知事にこの度就任した、猪瀬直樹の空気と戦争を読んだ。
内容はちょうどネットで始まった連載記事の内容と 重なっていて、記憶を適当にサマライズしてみると、
- 戦前は独裁者の支配する暗い時代であった、なんてことは無い。今とそんなに変わらない
- 今の人は「少佐」と「大尉」のどちらが偉いのかを知らない。知識の断絶が起きている
- 日米戦争が始まったのは特定の独裁者による強力な推進力が働いたからではなく「空気」によってそうなってしまった
- 官僚は開戦直前においては敗戦を予想し、今にしても実際、優秀であるが、うまく使わないと「空気」によって変なごまかしを発生させてしまう方向にも作用する
というところ。軍の階級は私の場合、小学校の時に仲間内で大流行した田河水泡の「のらくろ」で学んだ。
戦前の雰囲気についても、のらくろや、 山本夏彦のエッセイのみならず、古本等を読んで、当時の 空気に間接的にでも触れていると、なんとなくわかる気がする。 ずいぶんと「モダン」であった。
この本で面白かったのは「空気」の話。 個々の構成員は良くわかって いたとしても「空気」によって全体としては変な意思決定になってしまう、ということか。
IPv6についての現況をキャッチアップするため、 たまたま v6ops ML などを眺めていたのだけれども、 IPv6のプロトコルまわりでいろいろ起こっていることも、 まさにこの「空気」でいくらかは説明できるのかもしれない。
そんな時に必要なのは、前出の連載記事の後ろのほうにある
これからの時代を担う若い人は、「ダメだダメだ」 だけではなくて、「何かをやる」ための勇気を持た ないといけない。
かもしれない。
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