iOS (iPod touch) からのメールの添付のファイル名中の「発」が化ける2012年10月31日

最近、GNOME 標準のメールソフトである Evolution にて受信したメールで、メールに添付されたファイルのファイル名が iso-2022-jp''%1B%24B... というものになってしまう事例が発生し、なぜだろうと調べてみました。

調べた方法は、

  • evolution-data-server のソースコードを apt-get source で展開
  • camel/camel-mime-utils.c の header_decode_param_list にデバッグ用の printf を仕込んでトレース

という単純なものです。まぁ、ここに辿りつくまでにいろいろと試行錯誤したのですが。

結果、ファイル名に「/」が含まれているのが原因でした。再現するには具体的には、

  • 「開発.txt」というファイルを作成し、メールに添付して送る
  • それを iOS の標準のメーラーで転送する。テストしたのは iPod touch 5 の iPod Mail (10A406) です。iOS は 6.0 (10A406)
  • 受信する

というだけです。まず、送信時には以下のようなヘッダとなります

Content-Disposition: attachment; filename*=iso-2022-jp''%1B$B3+H%2F%1B%28B.txt

これを iOS 6.0 (10A406) のメーラーで転送すると次のようになります。

Content-Disposition: attachment; filename*=iso-2022-jp''%1B%24B3%2BH/%1B%28B.txt

filename パラメーターの途中にある「H%2F」が「H/」になってしまってるのです。おおざっぱに言えば、これは「発」の文字を ISO-2022-JP で表現したものです。

US-ASCII でない文字をパラメーターにエンコードする手順を定義したRFC 2045 および RFC 2231 によれば、'/' (スラッシュ) は tspecials に該当し、token にそのまま使える文字ではないため、適切にエンコードしなくてはなりません。

しかし、iOS から送った場合は生で '/' が出現するため、そこで token が切られ、中途半端な文字列がデコード対象となってしまいます。そのため、Evolution では化けてしまったようです。tspecials でもない $ や + は encode しているのに。

なお、iPod でこの転送されたメールを見ても文字化けはしません。'/' を tspecials として見てないのかもしれません。なんか不安ですね。

2012.11.1 追記

iPhone 4 上の iOS 5.1.1 のメーラーでも再現。バージョンは iPhone Mail (9B206)

2012.11.2追記

iOS 6 がアップデートされ、6.0.1 になりましたが、まだ化けます。iPod Mail (10A523) で確認

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