会社にオフィスは必要ない2014年01月28日

風邪やインフルエンザやノロウイルスが大流行りなようで、身近な人が次々とやられている。私もヨメも同様に先週末くらいまでは調子が悪く、喉は完全にやられていた。インフルエンザの予防接種が効果があったのか、また、睡眠はちゃんと取るようにしてたからか、大事には至らずに済んでいる。

そんな状況で周りを見渡すと感染が拡大してしまうのもしょうがない状況である。混雑した電車、店、街角、調子悪そうな人がそこここに散見される。どうやってもウイルスに迫られる状況だ。家に帰った時だけでなく、機会を見ては手洗いに駆け込んで手を洗い、うがいをするようにしている。

外が危険ならば家から出なければいいじゃない、ということで手に取ったのがこの本『強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」』である。原題は「Remote / Office Not Required」で、直訳すれば「遠隔 / オフィスは必要ない」となるだろうか。在宅勤務についての本である。(追記: 実際には本書で紹介してるのは働く場所は家に限らない。以前よく聞いた言葉でいえばテレワークのほうがいいか)

著者は 37シグナルズ(37signals)というウェブサービスの会社の創業者と共同経営者の2人で、インターネットのウェブサイトを作るのに多く使われている Ruby on Rails というソフトを作ったことなどで知られてる会社だ。Twitter もかつては Ruby on Rails メインで作られていた(Rails Hub情報局: Twitterは意外なほどRuby on Railsでできている!?)し、Ruby そのものは日本発ということもあって、国内のウェブサイトでも Ruby on Rails を使って構築されてるところは多いだろう。

元はウェブデザインやコンサルティングの会社だったのが、現在ではプロジェクト管理ツールのBasecamp、顧客管理のHighrise、グループチャットシステムのCampfireなどといった、グループウェア的なサービスを提供しており、前述のRuby on Railsもそれらのシステムの土台として作られ、公開されたものである。

37シグナルズはオフィスはシカゴにあってそこに何人かいるものの、社員は世界中に分散しているそうである。この本ではそんな、オフィスに集まらずに一つとなって働くためのアドバイスや考察が集められている。

多くの人はそう聞くとオフィスで顔を合わせずに働かないと管理もできないし、コミニュケーションも出来ないじゃないかと思うだろう。この本ではそうした疑問に対しての37シグナルズなりの回答もあり、それはそれで興味深いものだ。面接は大事であること、勤務時間は各人の自由にしていいがコアタイムは定めること、お互いを信頼すること、セキュリティに気を配ること、情報共有しやすくすること(37シグナルズの製品の目的でもある)、などなど。IBMなどの大企業やアメリカの政府機関など、37シグナルズ以外の事例も商会紹介されている。

そもそもなぜリモートで働くかといえば、無駄な会議や他者からの無用なインタラプトによる生産性の低下を防いだり、通勤時間を節約できるというメリットなどが挙げられている。要は仕事に集中できる、ということだ。

さて、ここにあることを実践しようとしても、この本にあるアドバイスをそのまま受け入れることはできないかもしれない。適用可能な業種は思ったよりは多いだろうけど、そうはいっても難しいものもある。しかし、その難しさが挑戦する価値のある課題かもしれない。

サンクコストに縛られがちな既に大きな素敵オフィスを構えてる会社と違い、幸いにして私が働いてる会社はまだ出来たばかりで小さい。勤務形態も基本的には個々人の自分の裁量で決めている。私はずっと家にいると気分転換ができないので「通勤」はしているが、それにしたって徒歩である。しかしこのままだと人がもし増えた場合には普通の会社のようになってしまうかもしれない。今のうちに何ができるか考えておこう。

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